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70
2022-07-07
「家にあるタイヤを廃棄してほしい」ということで、お客様が持ってきたタイヤ。
いや~とにかく古い!
”乗用車”で”バイアス”で、”ホワイトリボン”で、”6.15-13”や”6.95-14”とかですもん!!
復刻タイヤとかではなく、何十年も前、「当時の路面」を「実際にオレたちは走ったぞ」という”顔”をしています。
役目を終えてコタコタになり長らく放置された挙句、当店にやってきたこれらのタイヤ。
う~ん、浪漫を感じるな~。
その中の1本。
ダンロップの「SP STEELMAX 70」というタイヤを見て60代手前のお客様は
「オレが20代の頃のタイヤだからもう40年近く前か~懐かしいべ」
「SP STEELMAX 70」?・・・すいません、初めて見るタイヤです。
他にもダンロップの「SP SPORT」「SP 2&2」「GRAND SPEED GS1」「GOLD SEAL C41」・・・全部知らんぞ(;・∀・)
気になったのでネットで検索してみましたがまったくヒットしません!
メーカーの担当者に聞いても「あーそんなタイヤあったようななかったような。スチールラジアルだったっけ?」
こうなるともうどうしても知りたくなる性分。
特にこの、商品名にわざわざ入っている「70」がポイントなんです。
他のことならともかくタイヤのことだけは、なあなあにできません。
メルカリで昔のダンロップのカタログを見つけたので購入しました。
あったあった「SP STEELMAX 70」!!
1974年のカタログには「新製品」とあります(まだ生まれてない・・・)。
乗用車のタイヤの偏平率は1970年代前半くらいまで「82%」で固定されていました。
1965年以前は偏平率「92%」で一律固定。
だからタイヤサイズの偏平率は省略され、タイヤ幅(インチ)とリム径(インチ)のみの表記が普通の時代。
バイアスタイヤとラジアルタイヤ、チューブレスとチューブタイプが混在しています。
乗用車で。
1970年代半ばになるとスーパーカーブームなるものが到来し、タイヤは徐々に「ラジアル化」「ロープロ化」へと進んでいきます。
「スチールラジアル」という言葉もこの辺りから(最初はヨコハマ?)使われ始めます。
「偏平率70%」は当時としては攻めたタイヤ、新しくてカッコいいタイヤだったんではないでしょうか?
昔のタイヤサイズも案外読めます。
②の画像の「175SR14」は「175/82R14 S」、
③の画像はタイヤ幅6.45インチなので、1インチ25.4㎜で換算すると163.83㎜、ISO表記で「165/82R14」相当のタイヤということになります。
ただ、④の画像は最初読めませんでした。
Alpha-Numericといってアメリカで一時期だけ採用されていた規格とのこと。
こうなってくると、「沼」ですね。
現在でも、トラックや産業車両のタイヤは82偏平で普通に扱っており、表記も省略(11R22.5のように)されていたりします。
乗用車のタイヤは「195/65R15」のようなISO規格へと変化し、タイヤ幅も5㎜刻みでわかりやすい表記に変わりました。
バイアスからラジアルへ、そしてロープロへ。
サイズ表記はISO規格へ変化、偏平率は82(ハチニー)から70(ナナマル)へ進み、それから60(ロクマル)、65(ロクゴー)になっていく。
ちょうどその「変化の時代」の頃のタイヤです。
40年前の「点」と現在の「点」がつながって「線」になり、その「線」がつながって「円」になる。
さらに40年後・・・・・・タイヤのスタンダードはどのように変化しているのかな~。
ボク、80歳過ぎちゃってますけど・・・(^_^;)