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のらネコの一本松
2022-11-26
一匹ののらネコ。
この一本松町が縄張りなのか、いつもどこからともなく現れて、当店の前をのっそのっそ歩いて、またどこかへ去っていく。
毎回わずか数十秒くらいの付き合いが、かれこれ三年くらい続いています。
僕はそののらネコに勝手に”一本松”と名前をつけました。
そして老婆心ながらに、「毎日なに食ってんだろ」とか、「厳しい冬をどう過ごすつもりだろ」とか、「車に気をつけろよ」とか、遠くから見守りつつ、たまに心配したりとかしています。
でも、お互いの生活や仕事について関わりあうこともしない関係なので、無責任にエサを与えることもしませんし、こちらが車輛の下で這いつくばってヒーヒー言いながらジャッキアップしている最中も”一本松”は知らん顔。
まさしく「猫の手も借りたい」状況なんですけど、目の前を素通りしていくだけです。
太宰治の富岳百景における遊女のくだり。
自分にはどうすることもできず見守ることしかできないものに対して「富士に頼もう」と思いつく箇所は非常に秀逸で、ずるいなあと思います。
ここからだとわりと遠くに心細く見える樽前山か・・・頼みづらいわ~。

お互いに賢く、逞しく生きていくしかない。
世の中はいつだって強めの逆風が吹いているので。
以上でございます。