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三流のタイヤ専業店が行うタイヤ脱着作業 (大型トラック編)
2024-03-05
今回は、「三流のタイヤ専業店」である当店の「大型トラック」における「タイヤ脱着作業」をご紹介します。
●タイヤの取外し
ナットを取り外す際、当店では自作のナットプレートを使用します。
ナットやボルトはいったん締め付けると、ハブボルトとナットに相性ができるため、それぞれのハブボルトに取付けてあったナットを戻すようにすることが目的です。
画像は8穴用ですが、当然10穴用もあります。
●ホイール整備、ハブボルト・ナットの整備
・ホイールのディスク面、ボア部を研磨し、錆や汚れを取り除きます。
(著しい発錆はグラインダーで研磨します)
・ハブ穴(ボルトの穴)にも錆や汚れが付着しているためブラシをかけます。
・ハブボルトはボルトクリーナーで1本1本錆を落としたのち、給脂(軸力安定剤)します。
・ナットもネジ山部をブラッシングしたのち、給脂を行います。
●タイヤの取付け
・インロー部(嵌め合い部)及びディスク面当たり部のブラシ掛けを行い凸凹を取り除きます。
・タイヤを取付け、ハブボルトに順番にナットを手締めしていきます。
・ホイールの芯出しのため、小型インパクトレンチで対角締めを行います。
・トルクセッターを使用し、規定トルクで締め付けていきます。
・最後にマーカーで合ラインを入れます。
非常に残念なことに、これだけやっても、緩むときは緩んでしまうナット。
左後輪はとにかく厄介です。
一体どういうことなんでしょうか!?
「ISO規格だから」とか「左折時の負荷」「進行方向に対して逆向きに締める右ネジ」など、色々な理由が言われていますが、責任転嫁しても始まらない。
「JIS規格に戻せばいい」「左側は左ネジにすればいい」などの意見もありますが、言いたいことはわかるけど、相手は国や国交省。
速効性がなく非現実的です。
当店をご利用されるトラックドライバーの皆様は、とても意識や点検力が高く、ナットの緩みを見事に発見し、脱輪を未然に防ぐことができています。
いつも助けて頂いて、非常に感謝しております。
「ナットが緩んだから脱輪した」と「ナットが緩んでいることに気付かなかったから脱輪した」。
因果関係の「因」は同一線上にありますが、大きく意味が違うことに改めて気付かされます。
脱輪を防ぐ方法は、今更ながらの内容ですが、現状3つです。
1.
『正しいタイヤ交換作業の実施』
2.
『タイヤ脱着後は100km走行を目安にナットの増し締めを実施し、初期なじみによる締付力の低下を防止する』
3.
『地道な運行前点検の励行』
総じて言えば、『目の前のやるべきことに励む』ということに尽きます。
そして、一流の世界ではまだまだ三流以下。
そんなことを思いながら、一流を目指し、一級品の作業を提供できるよう、日々、目の前のタイヤ作業に、謙虚に、工夫を加えて、励んでいくしかないと考えています。
※日本自動車工業会のホームページでわかりやすいデータを見つけたので添付します。